2008年03月23日
フッゲライ in アウクスブルク


フッガー家のヤコブ・フッガー(別の発音ヤーコプ・フッガー)が1516年、生活に困っている貧しいアウクスブルク市民のために世界で初めて建設した集合住宅が「フッゲライ」です。(別説では1521年の建設)現存する世界最古の社会住宅として有名であるということで、今回のアウクスブルク観光でこのフッゲライを訪れました。
建設当時、このフッゲライを利用できるのはカトリック教徒であり、勤勉しかも自分の責任以外の理由で貧困に陥っているアウクスブルク市民だったといいます。つまりこの住宅はフッガー家が建てた福祉住宅だったのです。
フッゲライには8つの通りと7つの門があり、教会、城壁、城門を備えた街のなかの町になっています。現在は1つの城門しか開いておらず、私は運悪くもこの開かれた門に辿り着くために、城壁に沿ってまるまる1周歩いてしまいました。

入場料は大人一人2ユーロ(約320円)、そんなに高い値段ではありませんが、後ほど説明する家賃と比較してみてください。入場券売り場の所には日本語のパンフレットも無償で置いてありました。
入場券売り場から少し通りを入った左の入口の扉を入ると、そこはマルクス教会。第2次世界大戦で破壊されたため戦後立て直されたそうですが、意外と中は広く天井も高い静かな重みのある教会でした。私が訪れたときは、一人の老婆が熱心なお祈りを捧げていました。

更に次の見学をするため教会の次の扉を開けようとすると、鍵がかかっていて開きません。その隣の扉も同じ。朝早く来すぎたためかな、でも入場可能な時間に来ているのに。最初は判らなかったのですが、このフッゲライは町全てが博物館になっているわけではなく、その一部、といっても1つの扉のみが博物館として公開されており、その他の扉は教会・お土産屋・トイレを除く扉は公開されていません。というか、その他の扉には今でも現役で人が住んでいるきちんとした住居であり、このため扉には鍵がかかっているのです。

住人の一年間の家賃(管理費・光熱費は除く)は今でも昔の1ライン・グルデンの額面価格(現在0.88ユーロ=約140円)のままであるとのことです。ただし寄進者とフッガー家のために1日3回のお祈りを捧げることも家賃の一部になっているそうです。フッゲライに住んでいた最も有名な人物は、作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの會祖父にあたるフランツ・モーツァルト。(写真中央の扉の部屋にに住んでいたらしい。)フッゲライの大工として働いていたと言われています。

また、この左隣の部屋が博物館として公開されており、当時の寝室、炊事場、ダイニングルームの様子を見ることができます。写真では分かり辛いのですが、とにかく狭い、そして暗い。でも当時としてはまずまずの住居だったに違いありません。
私が訪れた3月は家の外壁に這うツタの葉がまだ落ちたままで少し寂しい状況でしたが、これから緑の葉をつけ歴史を感じさせる素晴らしい様子を見せてくれことと思います。是非チャンスがあれば、また訪れてみたいと思います。


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